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星空出版 HOSHIZORA PRESS

ミステリー・連載

パラダイム

下代沢侯二
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第 67 章 六十四 間諜   (人物不詳 村雨浩之)

六十四 間諜   (人物不詳 村雨浩之)

「うむむ。さて、お前たちは、うまくいったのか?」
「ええ。流石に五人も使えば手も足も出ません。しかし」
「しかし?」
「奴は消えました。」
「消えただと」
「はい。新宿の部屋から」
「どういうことだ」
「どうも協力者がいたのかも知れません。」
「守谷に?」
「守谷というか、あの男にですね。はい」
「あんな人間に、協力者などいないだろう。」
「そうなんですが。」
「どんなのだ」
「いや、それがよくわかりませんが。その我々の顛末を抜かれてるかも知れず」
「抜かれてる?」
「録音、ですね。」
「どういうことだ。失策か。」
「電話がかかりっぱなしだったんです。」
「なんだそれは?」
「まあ、ご指示いただいたことは対応できております。ご安心を。
「……。」
「細かく再現させておりますよ。タバコの根性焼きから、なんでしたっけ、若い人間に細かく指示してますから…」
「で、その場面を抜かれたのか。」
「まだわかりません。しかし、相手も相手で」
「どんな相手だ?」
「番号で調べたんですが、探偵のようでして」
「探偵?」
「はい、調べたのですが、南青山にある探偵事務所です。」
「まさか。」
「はい。軽井澤探偵通信社というところに抜かれている可能性はあります。なにしろ守谷の電話が部屋の隅で繋がりっぱなしだったんですから。」

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