実験番号 TES43212
「かわちゃんAGは知ってるよね」
「AG?」
「暗号だよ」
「?」
「知らないとモグリか新参者に舐められるから早く覚えたほうがいいぜ。」
「AGは綾瀬のゲーセン集合って意味だよ。」
「何故アルファベットに?」
「わからない。なんで英語にするのかは。英語の方が頭がいいように見えるからじゃないかな」
「英語ではない。アルファベットだろ」
「わからないんだけど、英語で幹部は」
「他に何がある?」
「沢山あるよ。覚えきれないくらい」
英語ではありません。ただ、くだらないことを全部省略言葉にし、それをアルファベットの頭文字にするだけの身内の符牒でした。金町はKM。警察はKS。少年院に入るのはSNH。組織はそういう言葉を
「全部教えてくれ。舐められたくない。」
山田はいろいろな暗号僕に教えた。僕はその全部受験勉強のように全て一瞬で覚えようとした。
「知ってるのはそれが全部かな」
「ありがとう」
「あ、あと。」
「なんだい?」
「よくわからないのも、幾つかあるんだ。」
「例えば?」
「AX2っていうのは聞いちゃいけない話だって言われた事がある。」
「X2?」
「アジトの二階に集合という意味らしい」
「なんで聞いちゃいけないんだ?」
「わからない。」
「他には?」
「うーん。これは暗号英語なのかは、わからないけど」
「よくわからない?」
「ああ。」
「みんな、絶対に言ってはいけない、という秘密がある」
「絶対に言ってはいけない?どうしてさ」
「わからないよ。でも英語暗号の中に、絶対に口にしてはいけないっていうのがあるんだ。これは俺が言ったとは言わないでくれよ。」
「何故?」
「言ったら消されるという噂もあるんだ」
「消される?」
「ああ。絶対に頼む。」
「もちろんだ」
山田は辺りを見回してから、僕の耳元でそれまでにない小さな声でそのアルファベットを言った。
CW?