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星空出版 HOSHIZORA PRESS

ミステリー・連載

パラダイム

下代沢侯二
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第 182 章 百七九 間諜 (守谷)

百七九 間諜 (守谷)

 守谷はその白い軽トラックの運転席に座った。
 ほとんどその瞬間にまた同じ非通知の着信が鳴った
「守谷さんか。」
「……。」
「運転席の座りごごちはどうだ?」
「ど、どこで俺を見ている?」
「まあ、気にするな。逃げられんということを理解すればそれでいい。」
「……。」
「助かりたくないのか?」
「助かる?」
「困っているから探偵に話したりしているんだろう?こちらの提案の通りにすれば、全てを解決する。その事は約束しよう。」
「信じるのは、難しい。」
「いつまでも逃げるつもりか?」
「……。」
「終わりにさせたくないのか?もう十分長い時間が過ぎた。懲役も終えたんだ。すこしの協力をすれば良い。それで解決する。」
 懲役という言葉は電話の中で、冷たく響いた。
「何もあんたは頭を使ったり作戦を考えたりする必要は無い。簡単なことにすぎんよ。もはや逃げていれば結末は見えている。守谷さん。あんたはもうひとつの腕も、失って生きたいのか?」
「ーー何をすればいい?」
「何、簡単なことさ。コンクリートの作り方は知っているよな?」
「…どういう意味だ?」
「作り方を知っているのか?」
「…知っている。」
「では、説明をしよう。撒菱には塗料は塗り終わったのだよな?」

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