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星空出版 HOSHIZORA PRESS

ミステリー・連載

パラダイム

下代沢侯二
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第 142 章 百三九 草案  (レイナ)

百三九 草案  (レイナ)

 御園生くんからメールが来ていた。
 作業をありがとうございます。
 なかなか、自分の思う通りの結果にはなりませんでした。
 むずかしいですね、とーー。
 そう書いてあるのをレイナは眺めた。
 御園生くん。
 違うよ。
 十分にあなたの予測は的確だった。
 実は、あの言葉の列の中に、風間と守谷とが繋がる場所がありました。
 そう。風間と、守谷はたぶん、犯罪者だった。それも殺人です。
 ネットには何故か出てこないけども。
 少なくとも、それが、わかった。
 その中で、あの二人は別々のやり方で何かの救いを求めたのかもしれない。
 いや、殺人者に救いなんてないんだけど。
 ただ、逃げようとしたのかもしれないけども。
 どこかでその道筋を探した。
 助けを求めたのだと。
 救いとか、現状から逃げたいという気持ちがあった。
 それが、わたしにはわかりました。
 やはり、風間と守谷は犯罪者だった。
 それも殺人。もう少し、調べてみるけどもーー。
 風間も、守谷も、あなたが説明してくれたように、一定の雰囲気があります。
 そう。
 他の人とは違う表情をしている。近寄り難いというか。
 風間と守谷はできないんだと思います。
 普通の人に混ざって行くことが。
 殺人者である過去を持ちながら普通の人に混ざれない。
 混ざって行くことは、隠すことになるから。
 隠して生きているから、変な表情になるんだと思う。
 普通ではない顔になる。
 でもそれが真実だと思う。
 私にはわかる。
 普通じゃない顔になる意味が。
 そう。
 このわたしが普通の人に混じって仕事なんて、おかしなことだから。
 いや、少しはこれからも混じって仕事をするかもしれないけど、御園生くんたちとはやめなければいけない。
 私はそう思わなければいけない。
 なぜならあなたや軽井澤さんは素敵だから。
 素敵なあなたたちと仕事をするには、わたしには難しい問題がある。
 本来はそれに値しない人間だから。
 ごめんなさい。

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