百二十八 実験番号 #3219
すいへいりーべ
すいへいりーべ
テレビのニュースのような音が、小さく聞こえる時がある
言葉まではわからない
水の中に潜ったときの水面の上にある世界
そもそも見えないし、キラキラ網膜の向こうで蠢いている
呼吸は苦しい
いつも苦しい
僕は水面の下にいて、空気のある場所で何かが動いている
世界が回っていくのを感じている
でも、それは水の外だ
朝と夜はわかる
気温を少し感じてるからではない
朝はこの星が何かをつなぐ、不思議な変換があるのだ
流れる粒子や僕の体の中にある分子構造が、共振する
反して夜はそれとは逆の方にゆっくりゆっくりと進んでいく
そうやって僕は朝と夜を数えている
その数を記憶してあの日からどれだけの時間が経ったのかわかるようにしている
誕生日を覚えているから両親と、弟二人の誕生日を祝っている
すいへいりーべ
僕のお船なにまがる
シップスくるある
水素、ヘリウム、リチウム、べりうむ、
ぼくは元素記号、の配列が大好きだ。水素は一番。ヘリウムは二番。背番号。電子(マイナス)の数と陽子(プラス)の数は同じ。水素は、電子ひとつ、陽子ひとつ。最初の満員が二席まで。最初のK殻は二つで満員。次のL殻は八つで満員。満員が安定してて、酸素Oは八番だから、Lの満員には二つ足りない。だから握手する手が二つ。炭素Cは六番だから手が四つ。ダイヤモンドが硬いのは、炭素が六番だから。ジャングルジムの三角形のかたち。これが世界で一番強い。炭とおんなじものが、立体に結晶するとダイヤモンドになる。数字って面白い
蝉はなぜ7年、11年、13年と土の中にいるのか?
ぼくは数え始める
元素という数字が世界を作ってる。
ぼくのからだも、こころも全部、番号の結果だ。
そういう番号がたくさんになっていくと席が安定しなくなっていく
自分で電子を外したりして、放射能になっていく
すいへいりーべ
すいへいりーべ