実験番号 JHC23
いつも彼女と話をしたいという欲望に駆られた。何の用事もないのに声をかけるようなことを僕はできない。恋することと行動ができることは違うと思いたいが、本質は勇気がなかったのかもしれない。幾度か計画はしたのだ。しかれど、告白をすることどころか、その人を呼び止めることさえできなかった。
ただ、話すことさえできなかった初恋の結果が、全て無駄で何もなかったということではない。僕はその人のおかげで勉強も部活も頑張れた。クラスも違う、学校が同じだけどの自分だけど、学年で一位になるくらい頑張れば、自分の活躍が届くと思ったのだ。部活を頑張ったのもそのひとつだ。受験勉強を誰よりも頑張れたのもその人を思ったことが理由だ。僕を前向きに走らせるものは全てその人が動力源であった。例えばその人と廊下ですれ違うたびに自分は何か熱を帯びて努力をするのだった。
自分という人間をいつ紹介しても恥ずかしくないようにしたかった。